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1期12話
1期12話「花ひらく想い」

歩夢《私… 侑ちゃんだけのスクールアイドルでいたい》

歩夢《だから…》

歩夢《私だけの侑ちゃんでいて…》


歩夢《あっ…!》

歩夢《私… 帰るね》



歩夢「あっ侑ちゃん おはよう!」

侑「あ… おはよう!」


侑「ねえ 昨日のことなんだけど…」

歩夢「ごめんね 変なこと言って」

侑「あ…」

歩夢「行こ?」


歩夢「今日は一緒に部室いけるの?」

侑「あ… うん 午後から東雲と藤黄と打ち合わせがあるけど」

歩夢「そっか〜」

歩夢「どんどん形になってきてるね」

歩夢「フェスティバル 頑張ろうね 侑ちゃん」

侑「うん…」


歩夢(離れたくなんて… ない)




いこう! 明日へ

虹のMelodies


青空 雨あがり

希望の 風吹いて(Blowing)

予感のなか 踏み出すよ 最初の一歩


世界が きらめいて

ココロに 湧き上がる(Feeling)

「いま駆け出したいんだ…!!」

(Move on!  Move on!)


重ねあう 小さなメロディ(Our Colors)

弧を描いてほら 街中に響くよ

(Reaching for far blue sky!)

いっしょに歌おう!


溢れだす この気持ち

胸の奥 もう止まらない

虹色Passions!

勇気に染まるColors


果てしない 空のむこう

ミライへと 橋をかけよう


高鳴る シンパシー

キセキ咲いてくよ

いこう! 明日へ

光れMelodies


そうきっと ひとりじゃないよ

いつもみんな いるから

夢と夢 繋いでいこう



クリスティーナ「東雲学院は 正式にスクールアイドルフェスティバルに 参加を表明させて頂きます」

美咲「藤黄学園も OKよ」

せつ菜「あ…! よかったです!」

せつ菜「改めて よろしくお願いします」

遥, クリスティーナ, 姫乃, 美咲「こちらこそ!」


姫乃「会場の方はどうですか? たくさんの場所でやると伺いましたが」

せつ菜「はい 生徒会にも交渉を手伝ってもらって 希望しているところは全て許可をもらえました」

クリスティーナ「順調ですね」

遥「私たちも 会場の候補考えてきたんです」

せつ菜, クリスティーナ, 姫乃, 美咲「おお!」

姫乃「一つひとつの会場は小さいですけど こうして見るとすごく大きな感じがしますね」

せつ菜「ファンのみんなが出し物の提案をしてくれているので 当日はもっとお祭り感が出ると思いますよ」

美咲「へえ どんな提案が出てるの?」

せつ菜「宮下愛さんは ファンの要望に応えて もんじゃ焼きの屋台を出すみたいです」

姫乃「屋台ですか!?」

美咲「アハハッ! 何でもありですね」

クリスティーナ「名前の通り 楽しいお祭りです」

クリスティーナ「私たちも負けてられませんね」

遥「はい!」

クリスティーナ「各会場のタイムテーブルは?」

せつ菜「出し物が決まったところで詰めていきたいと思いますが 仮で組んだものを侑さんが作ってくれました」


せつ菜「侑さん?」

侑「え?」

侑「ああっ ごめんごめん 資料だよね」

侑「え〜と ちょっと待ってね」

せつ菜「あ…」



かすみ「皆さん! いよいよかすみんたちの大いなる野望が 現実のものになろうとしています!」

かすみ「ここからはより一層気合いを入れて 練習していきましょ〜!」

かすみ, しずく, 果林, 愛, 彼方, エマ, 璃奈「お〜!」

しずく「や… 野望?」


愛「どうしたの? 歩夢」

歩夢「あ… ううん 何でもないよ」

歩夢「あっ」

かすみ「気を抜いてる暇はないですよ 歩夢先輩」

かすみ「みんなと一緒に作るといっても 私たちがいいステージを見せなきゃ 元も子もないんですからね!」

歩夢「そうだね!」


浅希「璃奈いる〜?」

璃奈「あ… 浅希ちゃん」

浅希「ちょっと 時間あるかな」

浅希「出し物を考えてみたんだけど 璃奈の意見が聞きたくって」

璃奈「うん」

璃奈「行ってもい〜い?」

かすみ「もちろん!」

エマ「いってらっしゃ〜い」

「エマ先輩! 果林先輩!」

果林&エマ「ん?」

「よろしいですか…?」

果林&エマ「あ…」

果林「ええ」

演劇部部長「しずく! 面白いこと考えたんだけど」

しずく「部長!?」

「愛先輩!」

「彼方せんぱ〜い!」

かすみ「ああ…!?」

しずく, 果林, 愛, 彼方, エマ「あ…」


しずく, 果林, 愛, 彼方, エマ「いってきま〜す」


かすみ「ふっ…」

かすみ「フンッ!」

歩夢「え!?」

かすみ「特訓しましょう… 歩夢先輩…」

かすみ「当日のパフォーマンスでみんなのファンを取っちゃうくらいの意気込みで!」

歩夢「か… かすみちゃん…」


歩夢「ひっ!」

かすみ「仲間だけどライバル! 仲間だけどライバルですよ!」

今日子「歩夢ちゃん!」

歩夢「あっ!」

かすみ「ああ…!」


歩夢「ごめんね〜」

かすみ「うえええええん! かすみんのファンはいないんですかあ!?」

かすみ「かすみんはここにいますよぉ〜!」

かすみ「うええん お〜いおいおいおい…」

「かすみん」

かすみ「わああああ…!」


今日子「ステージは 夢の大橋」

今日子「歩夢ちゃんとお茶会」

今日子「歩夢ちゃんと行く お台場一周の旅」

今日子「いくつかアイデアは出たんですけど…」

歩夢「どのアイデアもステキだと思うよ」

今日子「いえ! 全然まだまだです!」

歩夢「そ… そうなの?」

今日子「このチャンスに 他のスクールアイドルのファンにも 歩夢ちゃんの良さをアピールできるものにしたいんです!」

歩夢「私の…」

今日子「もっと意見出しましょう!」

ファンの生徒A「そうだね」

歩夢「フフッ」



歩夢(自分ではいいところなんて分からないけど 今日子ちゃんたちがああ言ってくれるのはうれしい)

歩夢(同好会に入って数ヶ月…)

歩夢(スクールアイドルとファンが一緒になって どんどん世界が広がってる)

歩夢(侑ちゃんもすごく張り切ってて 楽しそうでよかったなって…)

歩夢(そう思ってるのに…)


歩夢(恥ずかしい…)


歩夢「練習… 戻らなきゃ」



せつ菜「何かあったんですか?」

侑「えっ 何が?」


せつ菜「ごまかさないで下さい」

侑「うん… ちょっとね」

せつ菜「そういえば…」


歩夢《ううん 何でもない》


せつ菜「あの時の歩夢さん 様子がおかしかったような…」

侑「え? ああっ せつ菜ちゃんが気にすることじゃないから」

せつ菜「ですが…」

侑「ほんとに大丈夫だって」

せつ菜「そうですか…」

侑「ん?」


侑「せつ菜ちゃん 先に部室戻ってて!」



侑「待って 歩夢!」

歩夢「ん?」


侑「昨日のこと ちゃんと話そ」

歩夢「だからいいよ それは」

侑「よくないよ!」

歩夢「あ…」

侑「こんなもやもやした感じ… 絶対よくないって」

侑「私… 昨日… 歩夢に伝えたいこと あったんだよ」


侑「私ね… やりたいことが…」

侑「夢ができたんだ」

歩夢「あ…!」

侑「せつ菜ちゃんが知ったのは偶然で 歩夢には 最初に言うつもりだったんだ」

侑「ないしょにしてたのは悪かったけど ちゃんと考えて決めたから」

侑「だから 歩夢には聞いてもらいたいんだ」

侑「いいかな…?」

歩夢「やだ…」

侑「え…?」

歩夢「それって 私と一緒じゃなくなるってことでしょ!?」

歩夢「分かるよ! だって侑ちゃんがこんなこと言うの初めてだもん!」

歩夢「やだよそんなの! 私のスクールアイドルの夢は まだこれからなのに!」

歩夢「侑ちゃんが一緒じゃなきゃ… 私は一歩も前に進めないよ…」

侑「そんなこと…」

歩夢「あるよ!」

侑「あっ…」


歩夢「あるんだよ…」


侑「でも…!」


侑「あ…」


侑「また… 今度にするね」

侑「行こっか…」



愛「いよいよ一週間後だねえ!」

彼方「みんな練習は進んでる〜?」

しずく「はい みっちりやってます!」

かすみ「かすみんもです!」

果林「ところでみんな 本当に当日までステージ内容ないしょにする気?」

しずく「その方が面白いですから」

かすみ「ライバルに手の内は 明かしませんよ〜」

しずく「フフッ」

彼方「歩夢ちゃんは?」

歩夢「あ… ごめんなさい」

歩夢「私たち 出し物決まってなくて…」



今日子「侑先輩!」

侑「ん…?」

今日子「ちょっと ご相談が…」



歩夢「ん…」


歩夢「ハァ…」

歩夢「どうしたらいいのか… 分からないよ…」



かすみ「皆さん このあとはステージに行くんですか?」

璃奈「うん もう組み立て始めてるみたいだから」

エマ「自分のステージだから 任せっきりにしたくないよね」

彼方「彼方ちゃんも 今日からアルバイトお休みして頑張るよ〜」

果林「それじゃ」

エマ「また明日だね」

歩夢「うん また明日」

せつ菜「歩夢さん」

歩夢「ん?」

せつ菜「途中まで一緒に行きませんか?」



せつ菜「本当にいろいろ変わりましたねえ」

せつ菜「すごいですよ 同好会が復活してから間もないのに」

せつ菜「これも ファンのみんなのおかげです」

歩夢「うん… そうだね…」

せつ菜「その気持ちに応えるためにも 私たちはどんどん進んでいかなくてはいけませんね」


歩夢「でも私…」

せつ菜「ん?」

歩夢「私… もう… 動けないよ」

せつ菜「歩夢さん…」

歩夢「私がスクールアイドルを始めたのは みんなのためじゃないんだ」

歩夢「見てほしかったのは… たった一人だけだったの」

せつ菜「侑さんですね」

歩夢「だけど 今は変わってきてて…」

歩夢「こんな私をいいって 応援してくれる人がたくさんいて」

歩夢「その気持ちがうれしくて… 大切で…」

歩夢「今は私の大好きな相手が 侑ちゃんだけじゃなくなってきて…」

歩夢「本当は私も離れていってる気がするの」

歩夢「でも…」


せつ菜「フフッ」

せつ菜「私も我慢しようとしていました」

歩夢「え?」

せつ菜「大好きな気持ち」

せつ菜「でも 結局やめられないんですよね」

歩夢「あ…!」


せつ菜「始まったのなら 貫くのみです!」


歩夢(止めちゃいけない 我慢しちゃいけない)


歩夢「そうだね」


歩夢「ありがとう!」


歩夢「ハァッ ハァッ ハァッ ハァ…」



侑「ふぅ… 何とか間に合ったねえ」

今日子「侑先輩が手伝ってくれたおかげです!」

侑「えへへっ」

侑「あとは… ん?」


歩夢「ハァッ ハァッ ハァ…」

侑「歩夢…」

歩夢「侑ちゃん!」

歩夢「あのね 私…」

侑「出来たよ 歩夢のステージ!」

歩夢「え?」

侑「フフッ ほら!」


歩夢「あ…!」



侑「みんなで作ったフラワーロード」

歩夢「あ…」

侑「私は 相談されただけなんだけどね」

今日子「歩夢ちゃん 元気ないみたいだったから みんなで一つひとつ 気持ちを込めてつくりました」


侑「歩夢のイメージにもぴったりだしね」

侑「花言葉もあるんだよ」

歩夢「え?」

今日子「黄色いガーベラの花言葉は…」

今日子「『愛』 私たちの気持ちです」

歩夢「こんな… 私のために…」

侑「『こんな』じゃないよ」

ファンの生徒B「かわいくて 純粋で」

ファンの生徒A「いつも頑張っていて…」

今日子「私たちは そんな歩夢ちゃんが大好きなんです!」

歩夢「あ…」

今日子「侑先輩がつくった花もあるんですよ」

歩夢「え?」


歩夢「あ…!」

侑「フフッ」

歩夢「きれい…」

歩夢「花言葉は…」

侑「『変わらぬ想い』」

歩夢「あ…!」


侑「それだけは変わらないってこと」


侑「あ… 歩夢…」

今日子, ファンの生徒A, 生徒B「あ〜! ずる〜い!」

今日子「あ…」

侑&今日子「フフッ」

歩夢「みんな 大好き!」



侑「久しぶりだね 一緒に帰るの」

歩夢「うん」

歩夢「ごめんね わがまま言って」

侑「わがまま言ってる歩夢もかわいいよ?」

歩夢「もう!」

侑「へへっ」



侑「あれ? 乗ってかないの?」

歩夢「今日は歩いて帰ろ?」

侑「分かった」



歩夢「ねえ」

侑「ん?」

歩夢「前に進むって 大切なものが増えていくってことなのかな?」

侑「そうかもね でもさ…」

歩夢「ん?」

侑「歩夢を最初っからかわいいって思ってたのは 私なんだからね」

歩夢「あ… フフッ」


歩夢「ありがと」



侑「フェスティバルの当日は やることいっぱいだから 歩夢のステージはあまり見られないと思う」

歩夢「私たちは… みんな それぞれの場所で それぞれのステージ」

侑「バラバラだけど 想いは一つ」


侑「私ね 音楽やってみたいんだ」

侑「2学期になったら 音楽科への転科試験を受けようと思ってる」

歩夢「そうなんだ」

歩夢「私は… みんなのために歌うよ」

侑「私が夢を見つけられたのは 歩夢のおかげだよ」


歩夢「私も侑ちゃんがいたから スクールアイドルを始めることができたんだよ」

歩夢「侑ちゃん 今までありがとう」

侑「歩夢 今までありがとう」



『Awakening Primise』

この胸に蒔いた 小さな種をあたためて

気付けば 夢中で 追いかけた

その温もりを 感じて


ねぇ おんなじ空 眺めて 遠い夢見てた

あれから 巡った季節 今

ふたりをここへ 運んできたね


昨日とは違う

風が心を 締め付けるけど(ずっと)

思いは 繋がってるから


明日へ続く 並木の道

希望の花が 咲いていくの

あなたが 私にくれた 勇気を抱いて…


ほら笑顔でね 交わす約束

そう鮮やかに 咲かせていくの(I Promise)

きっときっとね(to you)

強くなるからね

伝えよう 沢山のありがとう


私らしく進もう 描いた未来

いつか いつか 叶えよう…!!



歩夢「フフッ」



侑「これからも…」

歩夢「よろしくね」



歩夢(何気なく過ごしていた頃からは 想像もつかないほど)

歩夢(目まぐるしくて… でも 楽しい日々)

歩夢(私たちの答えは まだ分からないけど)

歩夢(一緒に歩いていこう)

歩夢(これからも… ずっと!)




ゆっくりと走るこの道 何かが生まれかけてるんだ

それを伝えたいよ 君へと伝えたいんだ


毎日見上げる空の 青さも 季節ごと変わって

決まりはないね 自由に 描いてと 誘われてるよ


あせらないで 行こう!

ときめく 時間を楽しんで もっと!

みんな 自分が好きなことを 追求しちゃおう


どこに向かうか まだ分からないけど

面白そうな未来が待ってると

笑いあえる 君がいれば

嬉しい 今日も ありがとう


さあ これからはそれぞれの地図マップ

広げたら 気軽に飛び出そう

夢見て 憧れて また夢が見たいんだ

見たい、見たいんだ!



侑「曲作りにチャレンジしてみたんだけど 今の私にはここまでが精いっぱい」

歩夢「そんなことないよ侑ちゃん」

侑「えへへっ そう?」

歩夢「うん とってもステキだと思うよ」



全員「次回 『みんなの夢を叶える場所
スクールアイドルフェスティバル
』」