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1期1話
1期1話「はじまりのトキメキ」

侑(生まれたトキメキ)

侑(あの日から世界は 変わり始めたんだ)



歩夢「うーん… これはどう?」

侑「いまいち トキメキが足りないねえ」

歩夢「どうしよっか〜」

侑「他の店 行ってみよっか」

歩夢「そうだね」

侑「この前取り損ねたぬいぐるみさあ ネット見たら オークションに出てて…」

歩夢「あ…」

侑「ん? …おっ」

侑「歩夢 これいいんじゃない?」

歩夢「え!?」

侑「似合うと思うよ」

歩夢「い… いいよ! かわいいとは思うけど子供っぽいって〜」

侑「そうかなあ 最近までよく着てたじゃん」

歩夢「小学生の時の話でしょ? もうそういうのは卒業だよ」

侑「着たい服着ればいいじゃん 歩夢は何着たってかわいいよ」

歩夢「もう またそんな適当なことを…」

侑「あっ 見て見て」

歩夢「ん?」

侑「幼稚園の時 こんなカッコしてたよね」

歩夢「あ〜 懐かしいねえ」


歩夢《あゆぴょんだぴょん!》


侑「かわいかったなあ…」

侑「ねえ」

歩夢「ん?」

侑「ちょっとやってみてよ」

歩夢「何を?」

侑「あゆぴょん」

歩夢「…は?」

歩夢「やるわけないでしょ もう」

侑「え〜」

歩夢「何かおなかすいてきちゃった 下降りない?」

侑「賛成だぴょ〜ん」

歩夢「ゆうぴょんの方がかわいいんじゃない?」

侑「それはないぴょ〜ん」

歩夢「アハハハッ フフッ」

侑「で どうする?」

歩夢「やっぱり コッペパンじゃない?」

侑「だね〜」



侑「ねえねえ 今日の2限でさあ〜…」

侑「あっ それ何味?」

歩夢「食べる? 限定のレモン塩カスタード」

侑「うん」

歩夢「はい あ〜ん」

侑「はむっ」

侑「おっ うまっ いいじゃんこれ!」

歩夢「ほら ついてるよ」

侑「こっちも食べる?」

歩夢「あっ じゃあさ…」

侑「ん?」

歩夢「ほら 寄って寄って」

侑「ああ!」

歩夢「あ〜ん」


侑&歩夢「アハハハッ!」

歩夢「アハハハッ!」

侑「アハハッ はむっ」

侑「このあと どうしよっか」

歩夢「う〜ん 映画でも見る?」

侑「何かピンとくるのないんだよね〜」

侑「まあ いつもどおり適当に…」


侑&歩夢「ん?」

侑「何かのイベントかなあ」



「せつ菜ちゃ〜ん!」

「かわいい〜!」

「せつ菜ちゃ〜ん!」

「頑張れ〜!」

「せつ菜ちゃ〜ん!」


女子高生A「あれ? せつ菜ちゃん一人?」

女子高生B「新しいグループのお披露目だったよね」



『CHASE!』

走り出した! 思いは強くするよ

悩んだら 君の手を握ろう


大事な気持ち まるで裏切るように過ごした

昨日にはもうバイバイして



侑「結構盛り上がってるね 行ってみよっか」

歩夢「うん」




まぶたを閉じれば 何度だって出会える

高鳴る鼓動 信じる未来を ここに宿す

世界が色づいて 光りだす瞬間を

君と見たい その心がアンサー


走り出した! 思いは強くするよ

悩んだら 君の手を握ろう

なりたい自分を 我慢しないでいいよ

夢はいつか ほら輝き出すんだ!


Wo Yeah!(弾み出した!)

Wo!(思いは嘘じゃないよ)

Yeah!(涙から 生まれる希望も)


目には見えない 力で繋がる

夢はいつか ほら輝き出すんだ!



「せつ菜ちゃ〜ん!」

「最高!」「よかったよ〜!」


せつ菜「ハァ… ハァ…」


「よかったよ〜!」「こっち向いて〜!」


侑「すごい…」

歩夢「うん…」

侑「だよね! すごかったよね!」

歩夢「あ…  う… うん」

侑「かっこよかった! かわいかった! ヤバいよ あんな子いるんだね!」

侑「何だろう この気持ち! すっごいトキメキ!」

侑「何て子何だろう?」

侑「あっ ポスター!」

侑「これだ!」

侑「『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』?」

侑「虹ヶ咲って…」

侑&歩夢「うちの高校だ〜!」



侑「ん〜…」

侑「ふぁ〜…」

侑「ん〜! ん…」


侑「おはよ〜」

歩夢「おはよう」

侑「ふぁ〜」

歩夢「寝不足?」

侑「ちょっとね」

歩夢「遅刻しないでよ?」

侑「うん」



歩夢「ふぁ〜」

侑「お待たせ」

侑「行こっか」

歩夢「うん」



先生「来週また小テストをやるので 今のところはしっかり復習しておいて下さいね」

先生「それじゃ 今日はここまで」



侑「歩夢〜!」

歩夢「ん?」

侑「待った?」

歩夢「ううん 帰ろっか」

侑「その前に ちょっと寄りたいとこあるんだけど いい?」

歩夢「ん? うん もちろん」

侑「ありがと! フフフッ」

歩夢「あっ… うわっ!」

歩夢「え? ちょ… ちょっと〜!」


歩夢「ねえ どこ行くの?」

侑「スクールアイドル同好会!」

歩夢「あっ…」

歩夢「あの 侑ちゃん!」

歩夢「私 まだ…」

侑「私 スクールアイドルって よく知らなかったからさ」

侑「昨日帰ってから 動画とかいっぱい見たんだよね」

侑「みんなかっこよくて… かわいくて… 輝いていて…!」

侑「もう… 完全にトキめいちゃった!」

侑「でも やっぱり一番は昨日のあの人!」

侑「優木せつ菜ちゃんっていうんだって!」

歩夢「『ちゃん』!?」

侑「結構有名みたいなんだよね 神出鬼没のニジガク謎のスクールアイドルって!」

侑「ファンクラブとかあるのかなあ 次のライブ 決まってるなら行きたいなあ」

歩夢「で… でも 私たちもう2年だし 二人で予備校通うって言ってたよね?」

歩夢「スクールアイドルなんて追っかけてる暇ないんじゃ…」

侑「問題なし! むしろプラス!」

侑「せつ菜ちゃんの歌聴きながら勉強したら すっごくはかどったし」

侑「今日の小テストもバッチリだった!」

侑「何かさ すっごくやる気が湧いてくるんだよね」

侑「こんな気持ちになったの初めて!」

侑「フフフッ!」


侑「まずはサインをもらわなきゃ! 歩夢 いくよ!」

歩夢「ああ 待って!」


侑「おお! ここが部室棟か〜」

歩夢「そういえば 初めて来たね〜」

侑「広いなあ」

歩夢「ねえ スクールアイドル同好会の部室って… どこ?」

侑「さあ?」

歩夢「え?」

侑「ホームページの更新も止まってたし 校内の案内図にも載ってなかった」

歩夢「じゃあ どうやって…」

侑「片っ端から聞いて回ればいいんじゃない?」

歩夢「え〜…」

侑「大丈夫! すぐ見つかるって!」

歩夢「あ〜 もう!」



侑「あの〜」

「流しそうめん同好会にようこそ! 入部希望ですか?」

侑「いや スクールアイドル同好会を探していて…」

「知らないなあ」

侑「おいしそう…」

歩夢「失礼します!」

侑「おおっ!」



侑「全然見つからな〜い…」

歩夢「部活も生徒数も多いからねえ…」

歩夢「同好会だけで100個以上あるらしいよ」

侑「マジか…」

侑「あっ…」

歩夢「ん?」

侑「あの すみませ〜ん!」

璃奈「あ…」

歩夢「スクールアイドル同好会って…」

侑「どこにあるか知ってる?」


侑&歩夢「う…」


侑「あ〜…」

侑「もしかして 急ぎとかだったかな…」

愛「どしたん? りなりー 」

璃奈「あ 愛さん」


愛「ほら スクールアイドル同好会はここだよ」

侑「誰に聞いても分からなかったのに…」

愛「確か 今年出来たばっかの同好会だしね」

侑「ありがとう! 助かったよ」

愛「どういたしまして」

璃奈「あ…」

侑「ん?」

璃奈「別に… 急いでなかった」

璃奈「少しびっくりしただけ」

侑「そっか ならよかった」

璃奈「好きなの? スクールアイドル」

侑「え? うん! はまったばっかだけどね〜」

璃奈「そう…」

璃奈「あなたも?」

歩夢「…え?」

歩夢「う… うん どうだろ?」

歩夢「まだよく分からないかな」

璃奈「そう…」

侑「ありがとね 今から行ってみるよ」

侑「行こ 歩夢!」

歩夢「う… うん!」



侑「ここが…」

侑「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会!」

歩夢「あの… 侑…」

菜々「何をしているんですか?」

侑&歩夢「ん?」

菜々「普通科2年 高咲侑さん 上原歩夢さん」

侑&歩夢「え!?」

侑「会ったこと… ありましたっけ?」

菜々「生徒会長たるもの 当然 全生徒の名前を覚えているものです」

侑&歩夢「へ? 生徒会長!?」

菜々「フッ… 中川菜々と申します」

侑「そういえば 生徒集会で見た覚えがあるような…」

菜々「この同好会にご用ですか?」

侑「はい! 優木せつ菜ちゃんに会いに来たんです!」

菜々「彼女はもう ここには来ませんよ」

侑&歩夢「え?」

菜々「スクールアイドルはやめたそうです」

侑「え…?」

菜々「彼女だけではありません」

菜々「このスクールアイドル同好会は…」

菜々「ただいまをもって 廃部となりました」

侑「ええ!?」

菜々「失礼します」

侑「そんな…」



しずく「明日もまた 同じ日が来るのだろう」

しずく「幸福は一生来ないのだ けれども…」

演劇部部長「はい そこまで」

演劇部部長「じゃあ最後にグラウンド10周!」

部員たち「え〜!」

演劇部部長「文句言わずにさっさと行く!」

演劇部部長「しずく 聞いたよ 同好会の件」

しずく「あ…」

演劇部部長「掛け持ちじゃなくなったわけだし これからは演劇部に専念できるんでしょ?」



彼方「すや〜 すや〜…」

彼方「ハッ! まずい もう夕方じゃん」

彼方「急がなきゃ またせつ菜ちゃんに…」

彼方「ああ… もう怒られないんだっけ…」



エマ「ハァ…」

果林「元気ないわね エマ」

エマ「果林ちゃん… モデルのお仕事は?」

果林「今日は休み」

エマ「そう… あ…」

果林「…どうするの? スクールアイドル」

エマ「部長のせつ菜ちゃんに話そうとしたんだけど 連絡つかないんだ」

エマ「少し活動を休止するだけって話だったのに…」

エマ「廃部だなんて…」

果林「そんな顔しないで」

エマ「あ…」

果林「力になれることあるかしら?」

エマ「あっ…!」



かすみ「ぬぬぬぬぬ…!」

かすみ「かすみんはやっぱり 諦めませんよ!」



侑「歩夢! それ何味?」

歩夢「限定のラクレットチーズはちみつ 食べる?」

侑「食べる!」

歩夢「じゃあ 半分こね」

歩夢「はい」

侑「はむっ」

侑「おいしいね!」

歩夢「うん」

歩夢「残念だったね…」

侑「え?」

歩夢「せつ菜さん…」

歩夢「でも 学校にはいるはずだし 会おうと思えば…」

侑「それはいいよ やめる理由があったんだろうし」

侑「やっぱり難しいのかな」

侑「夢 追いかけるのって…」

歩夢「え…?」

侑「アイドルやるって そういうことでしょ?」

侑「自分の夢は まだ ないけどさ…」

侑「夢を追いかけてる人を 応援できたら…」

侑「私も 何かが始まる!」

侑「そんな気が したんだけどなあ」


侑「なんてね!」

侑「お台場寄って帰ろっか」

侑「ん?」

歩夢「ううん」



侑「どうかな?」

歩夢「いいと思うよ」


侑「おお 結構安いね〜」



侑「あのシャツどうしよっかなあ」

歩夢「明日 また見てみよ?」

侑「いいの?」

歩夢「うん」

侑「えへへっ ありがとう」



侑「あっ そういえば 明日の数学さ…」

侑「ん? 歩夢?」

歩夢「二人で…」

歩夢「二人で始めようよ 侑ちゃん!」

侑「え?」

歩夢「私も見てたの 動画 スクールアイドルの…」

歩夢「せつ菜さんのだけじゃなくて たくさん…」

歩夢「本当にすごいと思ったよ!」

歩夢「自分の気持ちをあんなにまっすぐ伝えられるなんて スクールアイドルって 本当にすごい!」

歩夢「私もあんなふうにできたら なんてすてきだろうって!」

侑「歩夢…」

歩夢「ごめんね 最初に言えなくて…」

歩夢「本当は私もせつ菜さんに会ってみたかった」

歩夢「けど 会っちゃったら 自分の気持ちが止まらなくなりそうで怖かったの」

歩夢「それでも… 動き始めたなら 止めちゃいけない 我慢しちゃいけない」


歩夢「私 好きなの!」

侑「あ…」


歩夢「ピンクとか かわいい服だって… 今でも大好きだし 着てみたいって思う!」

歩夢「自分に素直になりたい」

歩夢「だから… 見ててほしい」


歩夢「私は!」

歩夢「スクールアイドル やってみたい!」

侑「あ…!」

歩夢「スー… ハー…」



『Dream with You』

飛び立てる Dreaming Sky

一人じゃないから

どこまでも 行ける気がするよ

空の向こう


強く 願う 今

高く 高く ほら


ずっと隠してたの ココロの奥

芽生えてた気持ちを 見ないフリして

自信持てなくって うつむいてた

そんな私の背中 押してくれたね


繋いだ手 その温もりが

胸いっぱいの勇気をくれたから


歩き出そう Dreaming Way

未来へと続く

始まったばかりの夢から 射す光


トキめくよ Dreaming Light

言葉じゃ足りないから

歌に乗せるんだ

あなたに 届いてほしいよ

Beating my heart



歩夢「今はまだ…」

歩夢「勇気も自信も… 全然だから」

歩夢「これが 精いっぱい」

歩夢「私の夢を… 一緒にみてくれる?」


侑「フフフッ」


歩夢「あっ…!」

侑「もちろん!」

侑「いつだって私は 歩夢の隣にいるよ」


歩夢「うん!」



『NEO SKY, NEO MAP!』

ゆっくりと走るこの道 何かが生まれかけてるんだ

それを伝えたいよ 君へと伝えたいんだ


毎日見上げる空の 青さも 季節ごと変わって

決まりはないね 自由に 描いてと 誘われてるよ


あせらないで 行こう!

ときめく 時間を楽しんで もっと!

みんな 自分が好きなことを 追求しちゃおう


どこに向かうか まだ分からないけど

面白そうな未来が待ってると

笑いあえる 君がいれば

嬉しい 今日も ありがとう


さあ これからはそれぞれの地図マップ

広げたら 気軽に飛び出そう

夢見て 憧れて また夢が見たいんだ

見たい、見たいんだ!



かすみ「ぐぬぬ〜!」

かすみ「おのれ… 生徒会!」



かすみ「次回 『Cutest♡ガール』」